合同会社藤様

買収価格を1,000万円削減。事業拡大につながった事業承継M&A支援

抱えていた課題・悩み

岩手県を拠点に、飲食事業・精肉加工・フランチャイズ展開まで多角的に事業を展開する合同会社藤様。
ある日伊藤社長のもとに、地元でつながりのあった銀行から、後継者不在の工場について「引き継ぎ手を探している」との相談が寄せられました。

対象は、地域で長年親しまれてきたやきとり加工工場。販売ルートや加工の仕組みに強みを感じた一方で、提示された買収金額が適正なのか、また買収後に本当に経営が成り立つのかといった不安が大きく、「踏み出してよいのかどうか」判断できない状況でした。

当社を知ったきっかけ

フランチャイズ本部としての関わりを通じて、伊藤社長と以前からつながりがあったことがきっかけでした。
「M&Aは未経験で、正直どう進めていいのか分からない」との相談を受け、
Total AgentがM&Aアドバイザリーとして、買収の可否検討からデューデリジェンス、銀行との調整・交渉までを一貫してサポートしました。

支援内容

  • 買収対象企業の経営・財務・法務・人的デューデリジェンスの代行実施
  • 現地訪問による実態把握と従業員ヒアリング
  • 買収金額の再評価と適正額の算出(1,000万円の減額を実現)
  • 売り手側との条件交渉と契約設計
  • 銀行との融資折衝(保証付き融資の獲得)
  • 引継ぎ体制の構築(半年間の引継ぎサポート契約)

支援後の変化・成果

  • 買収金額の適正化により、1,000万円のコスト圧縮を実現
  • 従業員・パートの離職はゼロ。雇用を維持しつつ、組織を引き継ぎ
  • 売り手・買い手・従業員・銀行、すべてが納得する形で着地
  • 旧工場に加え、新たに第二工場を開設。従業員数も2倍に拡大

振り返って思うこと

M&Aは、金額だけの話ではありません。
買収して終わりではなく、そのあとに事業が前に進み、広がっていくこと。そこまで見据えてこそ、納得のいく選択になるはずです。

今回のご相談は、買収の話が進むなかで「このまま進めて本当に大丈夫なのか」という不安が徐々に強くなっていった、というものでした。
支援に入ってから、提示された価格の根拠が曖昧で、資料も不十分なことが明らかに。
事実を一つずつ整理しながら、次に進むための準備を整えていきました。

また、現地に入り、従業員の方と話し、数字の裏を取り、書面の不足を洗い出し、関係者と丁寧に交渉する。
当たり前のようで、実は誰もやらない「当たり前の積み重ね」が、結果を分けたと思っています。

私たちが特に重視したのは、数字の裏付けをもとに冷静に価値を見極め、売り手・買い手の双方が納得できる着地点を見つけることでした。
最終的には、提示された価格より1,000万円程度低い金額で買収ができることになりましたが、それは一方的な交渉の結果ではなく、徹底調査と対話を重ねた上で導き出した、双方にとって無理のない判断でした。

加えて、買収前の社長が半年間伴走してくださったことで、従業員が誰ひとり離れることなく働き続けられたこと――これは数字以上に大きな意味を持つ成果だったと感じています。

買って終わり、売って終わりでは意味がない。続けられるかどうか、未来がつながるかどうかです。

「買収したいけど、このまま進めていいのか不安」——そんなときは、どうぞ一度ご相談ください。